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2008/08/13

俳句とハイボール

俳句が最近ちょっとしたブームになっている。

そんなわけでちょっと調べてみたのだが、俳句には「季語」が必要で、感情を説明するのではなく一瞬の風景や心象を万人にわかる客観的事柄に変えて17文字内に表現するものなのだそうだ。

確かに、

古池や蛙飛び込む水の音

という名句にはベタベタした感情は入り込んでいない。
「古池」という静的な苔むしたイメージと、その中に「飛び込む」動的なイメージ。
モノクロとフルカラーのようなコントラスト。
静けさと水の音の対比といい、単純な言葉の並びに奥深い宇宙観が広がる所以は、「古池」しかり「蛙」しかり「水の音」しかりのイメージがあらかじめ読み手内部に出来上がっていて、そこから喚起されるイメージはいわば「ゲタを履いている」ためにより高く飛べるわけだ。

対して短歌には字数があるため、感情を説明出来る。
自分が歌いたい心持ちで選ぶといいようだ。

そう思うと、事象に自分の心象を重ねて「説明しない」俳句という表現形式はかなりハードボイルドだと言えよう。マーロウや二村は説明しないどころか、気持ちと反対の言葉ばかりを口にする。

さて、ハイボールを飲んだ時の心持ちはというと?
すっきりとした飲み口と、さっぱりとした味わい、しっかりとした酔い具合は言葉では言い表せない

ハイボールと冷しゃぶ ハイボールと和食はいい感じである


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