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2010/02/20

【休肝日】「珈琲時間」を読む

休肝日のこの日に飲んで以来、コーヒーが以前よりも好きになった。

言い方を変えると、「はまった」と言っていい。
コーヒーは豆の種類、焙煎の仕方、入れ方で味が千差万別する飲み物で、
極端な話同じ味は1回もない。

そう思うといつもの一杯も思い入れが変わってくる。

そんなコーヒーに例えてドラマの一場面を切り取ったかのような短編集を読んだ。

珈琲時間 (アフタヌーンKC)珈琲時間 (アフタヌーンKC)
(2009/12/22)
豊田 徹也

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評価が高かった「アンダーカレント」はまるで映画のようなフレームワークが特徴の一風変わったサスペンスだったが、その強みは今作も同じ。

路上ライブをしているチェリストが調子のいいイタリア人と喫茶店で言葉を交わすエピソードから、銃口を向け合いながらコーヒーを飲むドラマまで、振れ幅大きく進んでいく。

特にうまいと思ったのが初老の男と家族との関わりを描く「夢」。

「おまえさ目え覚ました時に知らないうちに涙が出てたってことねえか?」
と聞く男が見る夢は、哀しい。

独特のコマ割りと残像を残すかのような展開が苦いコーヒーのように舌に残る。

「人生に必要なのは何か?生きる糧となるものは?酒か?恋愛か?金か?それらは強すぎる
私は一杯のコーヒーだと思う

てらいもない言葉は時に上滑りして耳に響くけれど、すっと胸に落ちてきたのは作者の淹れ方がうまかったからだろう。

時に雑味が残るところはあるものの、こんな漫画が出版されているというのは素直にうれしい。





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コメント

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No title

「珈琲時間」、さっそくTSUTAYAで探しましたが見つからず・・・
代わりに「珈琲どりーむ」という漫画を借りてみたのですがご存知でしょうか?
これがおもしろくてすっかりハマりました。
コーヒー版「神の雫」的なウンチクや一話毎に入るコラムが勉強になります♪
コーヒー漫画ってけっこうあるのですね。


Re: No title

>KOZKOZさん

珈琲どりーむは知りませんでした!
何の世界もそれぞれ奥が深いのだなあと視野が広がりますよね。
蛇の道は蛇ですね!あれ?たとえが違う・・・。