初心に帰ってハイボール

人には何かしら記念日があるもので、この日は俺の記念日。いわゆるひとつ年を重ねたわけで、この年になると特に嬉しくもないが記念日であることには間違いない。

ここで問題になるのは時の流れで、ついこの前だと思っていたことが20年前だと気付いて愕然とした。20年とは例えば1人の男の子が生まれて成人するまでの時間の流れでそのボリュームのある透明な層が積み重なって今の俺がいるわけだ。

いささか身体の重みが増して社会の泳ぎ方を学び、ある程度稼げるようになってその日暮らしではなくなったのが進歩なのかどうなのか。

今日は一つ原点に返ってお祝いしたいと思った。



角とソーダ、ハイボールグラスを用意。

ソーダは奮発してウィルキンソンだ。



グラスに氷とウイスキーを注ぎ13回転半マドラーを入れる。
ソーダをゆっくりと注ぎ、レモンを絞ってマドラーを縦に1回。



ザ・とろ角ハイボール！

浮かび上がる泡の一つ一つが思い出に重なる。
行ってしまった人や生まれてきた人、去った人や出会った人、グラスの向こうに見えるのは決して酔いのせいではないだろう。