FC2ブログ
2008/10/30

【スコットランド・ハイボール紀行3】グレンギリーに学ぶウイスキーの造り方

ウイスキーがどうやって出来ているかを説明できる人はなかなかいないと思うが、実際見てみるとよくわかる。

簡単に言うと、麦芽(モルト)に水を加えて糖化(マッシング)、そして発酵させることでアルコールを発生させ(ファーメンテイション)、それを蒸溜することでより純度の高いアルコールを抽出(ディスティレイション)、それを樽に詰めて約10年寝かせてウイスキーの出来上がりだ(マチュレイション)。

水の沸点は100度だがアルコールの沸点は80度、そこでアルコールが気化し分離されて、再度冷やされることで純度の高いアルコールが残るという寸法。化学の世界だ。
なので、出来たばかりのウイスキー(ニューポット)は約70度と、とんでもなくアルコール度数が高い。色もこの時点では無色透明。

樽に入れることで木の香りや前に入れていた酒の風味が染みてきて、あの黄金色のウイスキーが出来上がる。

さて、グレンギリーではどう作っているかというと、こんな感じだった。

ミル・マシン

これはミル・マシンといって麦芽を砕く機械。
昔は各蒸溜所自身で麦芽を作っていた(製麦/モルティング)が、今はモルトスターと呼ばれる製麦会社から買っているようだ。やはり手間がかかるのだろう。
グレンギリーでも以前は自分のところで製麦をしていたが、今はモルトスターから買っている。

次は糖化槽(マッシュ・タン)のご紹介。

マッシュ・タン

細かくなった麦芽に温い仕込み水を入れると甘い麦汁が出来上がる。

ウォッシュ・バック

その後麦汁は酵母(イースト)を加えられることで発酵槽(ウォッシュ・バック)の中で約3日間かけて発酵していき、もろみ(ウォッシュ)に生まれ変わる。

そしていよいよ蒸溜だ。

ウォッシュ・スティル

ウォッシュはまず初溜釜(ウォッシュ・スティル)の中を通り、再度再溜釜(スピリッツ・スティル)の中を通る。その過程で不純物が取り除かれ、より純度の高い液体になっていく。

スピリッツ・スティル

内部では神々しい働きをしているスティルだが外からはまるで眠っているようだ。

スティルハウスから見る外は照ったり曇ったり

スティルハウスの内部は白壁に木の窓枠で落ち着く雰囲気。甘い麦汁の香りが眠気を誘う。

待ちに待った試飲

さて、いよいよ待ちに待った試飲。

色々飲ませていただいたが、俺にはこの21年が抜群にうまかった。

グレンギリー21年!

今から換算して21年前というと、1986年。
タイガースの優勝が1985年、ヒット曲は本田美奈子(合掌)の「1986年のマリリン」
ちなみにこの年頃、俺は大江千里のCDを買ったりしたのを覚えている。

黄金色に輝く液体は21年の時を越えて、その時の重さ(というか軽さというかそれは人それぞれ違うだろうが)を味わうのもウイスキーの魅力だ。こんなことでもなければ21年前のことなんて思い出そうとしたりしない。みんな忙しくてそんなヒマなんてない。でもウイスキーはその触媒になってくれる。

今は亡きウイスキーキャット

おじさんの膝にいるのは今は亡きウイスキーキャット。

この蒸溜所でネズミ捕りに活躍していたキャットのことをみんな忘れずに写真に飾っている。
法律の改正で新しい猫は飼えなくなったそうで、今は蒸溜所に猫はいない。でも昔の猫のことを忘れずに、こんな写真が飾られているのも気のおけないグレンギリーの魅力だろう。

日本のバーではあまり見かけないグレンギリーだが、この暖かい歓待を受けたら飲まないわけにはいかない。そう思わせる魅力のある蒸溜所だった。
関連記事
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント