八丁堀『中俣酒造 館』で和食と合う日本ワインの会
裏路地に入ると美味しくて一癖ある店がポツポツあり、飲み好きにはたまらない。
当時は1軒飲んで腹を満たしては友人の家で飲み直した。もう10年以上前の話だ。
そんな懐かしい八丁堀、サントリーの日本ワインの会で訪れたのは「中俣酒造 館(やかた)」。

八丁堀の駅の交差点から北に向かいワンブロックくらいの路地裏だ。古民家のようでそれで開放的な感じが不思議な建物は、ロウソク工場だったそうだ。なるほど。三階に上がると個室風のバルコニー的な作りでなかなか趣がある。

サントリーは最近ワインに力を入れていて、ハイボール好きな俺をワインの会に呼んでくれる。おかげでワインが好きになった。
この日もいつものメンバーでゆるやかにスタート。
日本ワインとはなんぞや?要は日本産のぶどう100%で作ったワインのことで、最近人気が高まっている。なんで今なのかというと、ワイナリーの二代目三代目が大人になり、オヤジ世代のやり方に飽き足らずチャレンジし始めたからだそうだ。価格もリーズナブルになり、ラベルもかっこよくなり、ましてや味も美味しいとなればうけるに決まっている。
サントリーといえば(NHKドラマ「マッサン」でもエピソードになっていたが)赤玉ポートワインが元祖の会社。山梨に登美の丘ワイナリー、長野に塩尻ワイナリーを持っている。話を聞くとトレンドに乗った訳ではなく独自で頑張っていたからなのだが、結果、今日本ワインに力を入れている、という訳だ。
なんとこの日は金賞を取ったワインを4種飲み比べ。金賞4つは過去最多だそう。
果実を絞るのに風船を膨らませてその圧力で絞る(柔らかく絞ると皮の雑味の影響が少ない)のだそうで、ワインと言えば村娘が足で踏むのを想像してしまう俺だが、そんな輩はたぶん俺だけなので黙っていた。

そんな不埒な内面隠して、美味しくワインをいただいてきました!
ワインというと洋食を合わせるのがオーソドックスで、やはりイタリアワインにはトマトが合うし、カリフォルニアの赤にはアンガスビーフ。その土地の料理と酒の相性なのだろう。
となると、日本ワインには?もちろん和食だ。そんな訳でこの和食レストラン。なるほど。
この日味見させてもらったワインは下記。
写真左から「津軽シャルドネ2013」、
「サントリー登美の丘ワイナリー メルロ&カベルネ・ソーヴィニヨン ロゼ2013」、
「塩尻メルロ 2011」、
「岩垂原メルロ 2012」。
まず刺身から。
マグロは飽きるほど食べた俺だが三崎のマグロはほぼメバチなので、本まぐろは新鮮な印象。
味もしっとりとして美味しい。これにロゼを合わせる。ロゼのふくらみとマグロの旨みが溶け合う。
これは発見だ!
ロゼと言えば甘いイメージだがこのロゼはぜんぜん甘くない。
津軽シャルドネはなぜかリンゴの風味がほんのりする酸味の効いたすっきりしたワイン。津軽の農家さんといい関係を築きながらお互いに切磋琢磨しているそうで、その成果がワインに表れている気がする。
醤油に付けると鯛の脂がサッと溶ける。
これは白で。うん、いい感じだ。
しかしカツオが一番旨かった。これもロゼで。
このロゼは万能だなあと皆で言い合う。
今回飲んだ日本ワインはぜんぜん尖っていない優しい味。なので優しい和食の味と合うのだと思う。
次は季節の炭焼き野菜。
玉ねぎ、レンコン、万願寺唐辛子。
焼き茄子はシャルドネと合わせてみた。
焼き芋のように甘い茄子とシャルドネは絶妙のバランス。焦げも美味しい。
手ごねさつまあげはなんと甘鯛入り!
サクプリジュワな食感に歓声が。これはロゼも合うし白も合いました。
そしてメインディッシュののどぐろ原始焼き!
のどぐろってこんな大きい魚だったっけ?と驚きと共に迎えました。
対馬産だそうです。
日本一美味しいのどぐろを日本一の安さで提供したい、という若い店主の心意気。
なんと1980円。安い!
取り分けやすくしてもらったのどぐろをいただく。
脂がのってそしてしつこくない淡泊な味。
ふんわりした身の食感といい、これは絶品。
これは関東の魚には無い味だなあと脱帽。
境港で食べた鯛のアラ煮の出汁にも感動したけど、風土の違いが味に出るのだろうなあ。
のどぐろには赤ワイン。
塩尻メルロはすっと飲みやすい華やかな味。美味しい。
黒毛和牛ざぶとん炭火焼きには岩垂原メルロを。
味がグッとしまっている凝縮感がすごい。クオリティ高いなあ。
実家に帰ると赤ワインでマグロの刺身を食べる親父を斜目で見ていた俺。
親父が「お前は意外に保守的だなあ」と言っていたのを鼻で笑っていたが、ほんとにそうだったようだ。
日本ワインと和食が非常に合うということがわかったこの夜。
食卓の楽しみがまた一つ増えた。
いい夜だった。
※中俣酒造館さんでは通常このワインはありません。イベントのために持ち込みしたものです。ジャパンプレミアムシリーズの他のワインは常備されているとのこと。
■サントリー日本ワインHP はこちら
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中俣酒造 館 (魚介・海鮮料理 / 八丁堀駅、宝町駅、茅場町駅)
夜総合点★★★★☆ 4.0
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