2008/09/22

ワルツ・フォー・ハイボール

 ジャズをはじめて聴いたのはたぶん父親の影響で、田舎の我が家だからこそなのか、親父は「真夏の夜のジャズ」をビデオに撮ってたりして、そのエラ・フィッツジェラルドのライブがたぶん最初のジャズ体験だ(ビデオに撮ってた中には「天城越え」もあって、その濡れ場をドキドキしながら覗き見した、というのはまた別の話)。

 そんなわけでエラ・フィッツのスキャットを始まりに、その後はFMtokyoのジャズトップ20みたいな特集をテープに撮って一生懸命聴いた。オーソドックスなスタンダードナンバーばかりで、「枯葉」とか「レフト・アローン」とかバラードが多かった気がするのはたぶん時代なんだろうと思う。

 どこで覚えたのかわからないが、次のジャズ体験はビル・エヴァンスの「ワルツ・フォー・デビィ」。ライブの始まりに触れ合うグラスの音、線路を走る電車の音、拍手を含めてなんと素敵な場が存在しているものか、と田舎の高校生は思ったものだった。

 その後ピアノ・トリオがやはり好きなのはビル・エヴァンスの洗礼がどうも染み込んだに違いない。当時、同時に飲む酒は背伸びをしてバーボンだったが、近頃は自然とスコッチだ。

 ジャズにはウイスキーが合うというのは本当で、しかも時間を問わないのであればハイボールがマッチする。朝からウイスキーではハードボイルド過ぎるが、ハイボールだったらいける。以前は朝からビールだったので相対的にましになったと言いたいが、どっちもどっちだろうか。ともあれ、ハイボールのさわやかな味わいはチューハイの甘い感じともまた違って、アルコール初体験にもいいのではなかろうか。

 俺にティーン・エイジャーの友人がいたなら、成年になった彼にまずハイボールをすすめるだろう。そして一枚板のカウンターに座った我々、俺はバーの片隅に座る美女にウインクと共にハイボールを贈り、どぎまぎしたティーンの彼を置いて俺はバーを去る。それが大人のたしなみ。と、妄想しながら飲むハイボールの味は絶品だ。もちろんそのバーのBGMは、ビル・エヴァンス。


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