店をつくるということ ~ 「僕たち、こうして店をつくりました」
外に飲みに行ったり食事に行くときに気を付けていることが2つある。
1つ目は「いい客になること」。
よく口コミサイトなどでクレームめいた嫌な経験を書いている人がいるが、良く読むといい客になるための努力をしていないことが多い。いい客になることというのは、例えば愛想を良くすることもそうだし、店を入るときに店員さんの目を見て挨拶をすることだったり、普通に社会生活を送るにあたってしていることで、それを店に入った時もやるということだ。そこでお客さんとして認識してもらえば、オーダーした品が来ないことやないがしろにされることは無くなる、と信じている。お店の人も人間なので、そこは人対人の気持ちがあるとないとでは対応が違って当たり前。
2つ目は「御礼や感想を言うこと」。
必ず店を出る際にごちそう様でしたと大きな声で言うこと。また美味しかった場合はその感想を言うこと。気になる点があって惜しい場合もそれを伝えることだ。たぶん自分が店で働いていて嬉しい瞬間というのは自分の提供したサービスでお客様が満足したというのがわかった時だし、その簡単なことで人が喜ぶならやった方がいいというのと、惜しい場合はそこを改善するともっといい店になる場合があるからだ。逆に見込みがない場合や万が一嫌な思いをした場合(幸いそういうことはほとんどないが)は何も言わずに店を出ることになる。
いつも飲み歩いている飲食店というもののオーナーがどういう理由で店を始めたのか、収支はどれくらいのレベルなのか、などを知りたいと思ったのがこの本を手に取った理由で、特に自分で店を持ちたいというわけではない。読み終えて、繁盛店には繁盛店である理由があった。また、当たり前のことだが俺が気を付けていることなどよりももちろん店側にはたくさんの気を付けていることがあることがわかった。
紹介されているのは下記のお店。
三鷹バル(スペインバル)
アヒルストア(パンと自然派ワイン)
アンリロ(フレンチベジタリアン)
ブラッスリー イブローニュ(ブラッスリー)
シエル・ドゥ・リヨン(ビストロ)
パッソ・ア・パッソ(イタリア料理)
オステリア・バスティーユ(フランス料理 × イタリア料理)
ラ・フォルナーチェ(バール&エノテカ)
ヴィラ・アイーダ(宿泊施設付きイタリア料理)
どの店も雑誌で読んだり評判を聞いたことのある店だけれど、店をやっていく上で、やはりそれなりのこだわりや苦労がある。それを越えて商売を軌道に乗せているのは「考え方」言い換えれば「コンセプト」に尽きる。
この場所で商売をするにはどの料理をどの価格帯で出せばいいのかということはもちろん、店としての「芯」を何で出すのか。
例えばアヒルストアではその芯として手作りのパン、そしてビオワインを選んだ。パッソアパッソはジビエの一頭買いだ(一頭を余すところなく使うため)。
そして、客というのも店を作る大きな要素のひとつ。
その店にいる「客層」はおのずと店のムードを決めるわけで、振る舞いが良くない客がいるだけで店全体のムードは一気に悪くなってしまう。
三鷹バルでは店の雰囲気を醸す奥の場所にはあえて常連さんを案内するというし、ナンパしようとする客や飲み過ぎた客にはうまく注意したり帰ってもらったりするそうだ。入ってきた客の雰囲気を見てどこに案内するかを決めているというから恐れ入る。
愛されるためには自分の店の芯を見つけることだ、ということを9人のオーナーたちは自分の経験から教えてくれた。
そして、誰にでも好かれようとする人は誰にも愛されないという言葉のとおり、誰にでも好かれようとする店は誰にも愛されない店になってしまう。
いい店とは、店主の考え方と集まる客層から出来上がるムードがいい場所のことだ、と改めて思った。
お店を作るまでに苦労したことやノウハウ、店の場所の選び方はもちろん、銀行からのお金の借り方などは各店の月商や収支も書いてくれている。実際に開業を目指している人には役に立つだろう。
開業まで、そして店を軌道に乗せるまでのオーナーたちの熱、それは人間ドラマと言っていいと思うけれど、その語りにあてられて頬が火照った。
単に食べ歩き好きな人が読んだら?もっと食べ歩きが好きになるだろう。
1つ目は「いい客になること」。
よく口コミサイトなどでクレームめいた嫌な経験を書いている人がいるが、良く読むといい客になるための努力をしていないことが多い。いい客になることというのは、例えば愛想を良くすることもそうだし、店を入るときに店員さんの目を見て挨拶をすることだったり、普通に社会生活を送るにあたってしていることで、それを店に入った時もやるということだ。そこでお客さんとして認識してもらえば、オーダーした品が来ないことやないがしろにされることは無くなる、と信じている。お店の人も人間なので、そこは人対人の気持ちがあるとないとでは対応が違って当たり前。
2つ目は「御礼や感想を言うこと」。
必ず店を出る際にごちそう様でしたと大きな声で言うこと。また美味しかった場合はその感想を言うこと。気になる点があって惜しい場合もそれを伝えることだ。たぶん自分が店で働いていて嬉しい瞬間というのは自分の提供したサービスでお客様が満足したというのがわかった時だし、その簡単なことで人が喜ぶならやった方がいいというのと、惜しい場合はそこを改善するともっといい店になる場合があるからだ。逆に見込みがない場合や万が一嫌な思いをした場合(幸いそういうことはほとんどないが)は何も言わずに店を出ることになる。
いつも飲み歩いている飲食店というもののオーナーがどういう理由で店を始めたのか、収支はどれくらいのレベルなのか、などを知りたいと思ったのがこの本を手に取った理由で、特に自分で店を持ちたいというわけではない。読み終えて、繁盛店には繁盛店である理由があった。また、当たり前のことだが俺が気を付けていることなどよりももちろん店側にはたくさんの気を付けていることがあることがわかった。
紹介されているのは下記のお店。
三鷹バル(スペインバル)
アヒルストア(パンと自然派ワイン)
アンリロ(フレンチベジタリアン)
ブラッスリー イブローニュ(ブラッスリー)
シエル・ドゥ・リヨン(ビストロ)
パッソ・ア・パッソ(イタリア料理)
オステリア・バスティーユ(フランス料理 × イタリア料理)
ラ・フォルナーチェ(バール&エノテカ)
ヴィラ・アイーダ(宿泊施設付きイタリア料理)
どの店も雑誌で読んだり評判を聞いたことのある店だけれど、店をやっていく上で、やはりそれなりのこだわりや苦労がある。それを越えて商売を軌道に乗せているのは「考え方」言い換えれば「コンセプト」に尽きる。
この場所で商売をするにはどの料理をどの価格帯で出せばいいのかということはもちろん、店としての「芯」を何で出すのか。
例えばアヒルストアではその芯として手作りのパン、そしてビオワインを選んだ。パッソアパッソはジビエの一頭買いだ(一頭を余すところなく使うため)。
そして、客というのも店を作る大きな要素のひとつ。
その店にいる「客層」はおのずと店のムードを決めるわけで、振る舞いが良くない客がいるだけで店全体のムードは一気に悪くなってしまう。
三鷹バルでは店の雰囲気を醸す奥の場所にはあえて常連さんを案内するというし、ナンパしようとする客や飲み過ぎた客にはうまく注意したり帰ってもらったりするそうだ。入ってきた客の雰囲気を見てどこに案内するかを決めているというから恐れ入る。
愛されるためには自分の店の芯を見つけることだ、ということを9人のオーナーたちは自分の経験から教えてくれた。
そして、誰にでも好かれようとする人は誰にも愛されないという言葉のとおり、誰にでも好かれようとする店は誰にも愛されない店になってしまう。
いい店とは、店主の考え方と集まる客層から出来上がるムードがいい場所のことだ、と改めて思った。
お店を作るまでに苦労したことやノウハウ、店の場所の選び方はもちろん、銀行からのお金の借り方などは各店の月商や収支も書いてくれている。実際に開業を目指している人には役に立つだろう。
開業まで、そして店を軌道に乗せるまでのオーナーたちの熱、それは人間ドラマと言っていいと思うけれど、その語りにあてられて頬が火照った。
単に食べ歩き好きな人が読んだら?もっと食べ歩きが好きになるだろう。
![]() | 僕たち、こうして店をつくりました 独立開業のニュースタンダード (2010/08/02) 井川 直子 商品詳細を見る |
スポンサーサイト