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2010/08/02

美保関で静かにハイボール

宿からは港が見えていた。港とは言っても数えられるくらいの漁船が並んでいる程度の小さい港で、左手には湾を守るように緑の丘が張り出し、その向こうには大山が雲にかすんでいた。夕方の港はとても静かで船は明日の朝の漁のためにゆっくり眠っているように見えた。

部屋からの眺め

漁村生まれの血が騒ぐのかこういう風景がたまらなく好きで、港の目の前の宿だからこの宿を選んだのだが、昔は宿の玄関の前がすぐ海だったそうでどこの町でも海岸線は遠くに行ってしまうようになっている。

美保関に行こうとはそもそもまったく思っていなかったのだが、情報を探しに行った日本橋しまね館でパンフレットを見て、その位置(美保関は島根県の東のはずれ、鳥取県の境港から海峡を挟んだその先にある)とその地形(美保関は日本海に飛び出した半島の先端にある)を知ってたまらなく行ってみたくなった。

ゆったりとたゆたう海

日本海と言えば荒波、と思っていたが美保関はちょうど中海に向かう海峡であり昔から風待ちの港と使われていたようで、なるほど静かなたたずまいである。

松江からバスで40分、車窓が緑に変わり右側の視界が開けたら青い海が広がり、向かっていく道路の先にまた海が見えた。そこから町営のバスに乗り換えて30分、おばあさんたちの田舎言葉を聞きながら着いたのがこの町。なんだかずいぶん遠くまで来てしまった。

漁船はイカ釣り用でもあります

土曜の夕方、誰もいない港。
流れ着いた町で漁師になって暮らす。ぼんやりそんなことを考えた。

日が斜めになってきた

たっぷりとした海に囲まれている。

岸壁でハイボール

岸壁でハイボール。

西日が山裾に消えていくまで座っていた。
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