浅草や御徒町に行くようになってからめっきり足が向かなくなった恵比寿。
ひさびさに駅を降りると、すれ違う美女の方々に思わず口を開ける。
俺の行動範囲で美女を見ることがあまりに少ないと思っていたが、それは要するに泳ぐ池を間違えていたのだ。
何か間違って過ごしてしまった日々を悔やむような気持ちを押さえながら店に向かう。
この日サントリーの日本ワインの企画でお邪魔したのは『ゑびす堂恵比寿店』。
恵比寿駅のロータリーを突き抜けしばらくまっすぐ歩く。
店があるはずの交差点であたりを見回すも看板が目に入らない。
おかしいなと思って歩くと小さい立て看板を発見。
こちら、昔夜の試合でよくお邪魔した渋谷の『汁べゑ』の系列店だそうで、なるほどあの店もわかりにくいロケーションを売りにしていたなあ、と一人頷く。
重い引き戸を開けると、入口近くに長いテーブルのグループ席、その向こうに短いカウンター。
そのカウンターに案内されると、眼下にライブ感のあるキッチン。その周りをコの字型のカウンターが囲む。
向こうにはテーブル席も見える。
この日は日本ワインがテーマなのでハイボールはお預け。
この時に飲んだ津軽シャルドネをオーダーするも品切れ。落胆していると、美人の店員さんが裏メニューでこちらのワインはいかがですか、と提案してくれたのがロゼ。
美味しかったロゼの記憶がまだ新しい俺には一も二もない。

塩尻メルロ ロゼ2013です。
フルーティでいて爽やかな酸味は前回いただいたロゼよりは甘さを感じるけれどすっきりした辛口。寒くなってきたけどまだ秋本番には早い季節にぴったり。
そして合わせたのは刺身三種盛り。
メニューから3種類を選べる嬉しい趣向。

うに、ブリ、サワラ。そしてサービスのカンパチ。

こういうちょっとしたサプライズが嬉しい。
脂の乗ったブリをロゼで流す。
これは白ワインでは流しきれず、赤ワインでは重みが残り、食事のエントリーに近い段階ではロゼが大正解。

そして牛すじの肉じゃがは温玉とフォッカッチャが付いてくる珍しい一品。
濃い味をロゼで流す。
赤ワインでもいいのだけどロゼとの相性も抜群。このワイン美味しいです。
裏メニュー提案してくれた店員さんありがとう!

玉子を崩してまた美味しい。
結構ボリューミーなのも嬉しい。
いつもならハイボールから焼酎や日本酒にシフトする俺だが、最初からワインをボトルで頼んでしかも和食に合わせるのは新しい試みで、しかも抜群に相性がいいということに驚き。
和食に日本ワイン、流行るかもな・・・とまたも一人頷く俺。
気が付くと店内満席で大賑わい。この品質で値段もリーズナブル、隠れ家風のしつらえでサービスもいいときたら若者にウケないはずがない。いつもは大衆酒場ですがれた親父に囲まれるのが好きな俺だが、たまにはこういう店も昔を思い出して少し感慨深い。俺も隣の一見きれいな女のように煙草をファッションで吸っていたなあ、と思いつつ流れてくる煙を手を振って流す。全席喫煙可能なので愛煙家には嬉しいはず。
お通しはボリューム感のあるサラダが付いて500円。
用途は最初のデートか夜の試合か。そのニーズなら500円を惜しむ男はいないだろう。
■サントリー日本ワインHP は
こちら■簡単に買えるのは
Amazon サカバ ゑびす堂 恵比寿店 (居酒屋 / 恵比寿駅、代官山駅、中目黒駅)
夜総合点★★★☆☆ 3.5